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障害年金の等級が決まる「診断書」の正しい依頼方法と、受け取り後の必須チェックリスト

障害年金の申請において、ご自身の障害の重さ(等級)を審査側に伝えるための最重要書類が「診断書」です。

しかし、「医師に書いてもらえばそれで終わり」ではありません。依頼の仕方や、書いてもらう「日付(現症日)」を間違えると、最悪の場合は不支給になってしまうこともあります。この記事では、障害年金の診断書を医師に依頼する際の注意点と、受け取ったあとに絶対に確認すべきポイントを分かりやすく解説します。

目次

Q. 診断書は何級かを決めるためのもの?

大前提として、診断書は「障害の重さ(等級)」を判断するための材料となる書類です。

ここで誤解されがちなのが、「医師が何級か決めて書いてくれる」という考えです。よく「2級の診断書を書いてもらった」と言う方がいますが、医師が等級を決定するわけではありません。等級はあくまで、提出された診断書などの資料をもとに、国の審査によって決定されます。

そのため、医師に対して「2級になるように診断書を書いてください」とお願いするのはNGです。

Q. 診断書はいつの時点の状態を書いてもらうの?

診断書において最も重要なのが「現症日(げんしょうび)」です。これは「その診断書がいつ時点の状態を示しているか」を表す日付です。障害年金の手続き方法(請求パターン)によって、必要となる現症日と枚数が以下のように異なります。

  • 障害認定日請求(通常の請求):
    原則として初診日から1年6ヶ月経った日(障害認定日)から3ヶ月以内の現症日の診断書が「1枚」必要です。
  • 遡及(そきゅう)請求(過去に遡って請求):
    障害認定日から1年以上経ってから過去の分も請求する場合、「認定日から3ヶ月以内の現症日」と「現在の請求日から3ヶ月以内の現症日」の診断書が「合計2枚」必要になります。
  • 事後重症請求(現在の状態から請求):
    認定日時点では基準を満たしていなかったけれど、現在は重症化している場合などに行います。「現在の請求日から3ヶ月以内の現症日」の診断書が「1枚」必要です。

⚠️ 診断書の有効期限に注意!

現在分の診断書には「現症日から3ヶ月以内」という有効期限があります。作成日ではなく「現症日」から3ヶ月を過ぎると無効になり、修正や書き直しが必要になるため注意しましょう。

Q. 医師に診断書をお願いするときのコツは?

特に精神疾患や内科系の病気の場合、日頃からご自身の状態や生活の困りごとを医師にしっかり伝えておくことが極めて重要です。

診察で「お変わりありませんか?」と聞かれて「はい」とだけ答えていると、医師は「問題なく生活できている」と判断してしまい、実際の生活のつらさが診断書に反映されず、軽い内容になってしまうことがあります。

診断書を依頼する前には、日常生活でどんなことに支障が出ているのかをメモなどにまとめ、医師にしっかり伝えましょう。

Q. 病院から受け取った診断書は、封を開けてもいいの?

病院から診断書を受け取ると、封筒に封がされていることが多いため「開けてはいけない」と思い込んでいる方が非常に多いですが、必ず封を開けて中身を確認してください。

提出してしまった診断書は、「その内容が事実」として審査が進んでしまいます。もし記載漏れや事実と違う部分があっても、審査側は医師を疑って確認してくれることはありません。提出前であれば修正や追記の相談ができるため、必ず自分自身の目で内容をチェックしましょう。

Q. 提出前に絶対に確認すべきチェックポイントは?

診断書は項目が非常に多く、多忙な医師が作成するため、記載漏れやちょっとした相違は珍しくありません。以下のポイントを必ず確認しましょう。

  • 日付の漏れや誤記がないか:
    特に「現症日」が正しいか確認します。また、初診病院で証明が取れず、この診断書のカルテ記録だけが頼りの場合は「初診日」が本人申立で5年以上前の日付になっているかどうかが命綱になります。
  • 検査数値が合っているか:
    手元にある検査結果の通知と見比べ、正しく転記されているか確認します。
  • 【肢体障害の場合】補助具なしで評価されているか:
    肢体の診断書は「補助用具を使用しない状態」で評価する決まりですが、誤って補助具あり(できることが増えた状態)で書かれてしまうと、等級が軽く判定される原因になります。
  • 【精神障害の場合】同居者や就労状況の記載があるか:
    同居家族がいるのに「同居者なし」になっていないか確認します。また、働いている場合は、職場での「援助の状況(配慮)」が空欄になっていると、「配慮なしで一般就労できている(症状が軽い)」とみなされる恐れがあるため、必ず記載してもらいましょう。

まとめ

診断書は、書いてもらって終わりではありません。受け取ったら必ず開封して内容を確認し、事実と異なる部分や記載漏れがあれば、提出前に医師へ追記・修正をお願いしましょう(※単に「重く書いてほしい」と頼むのは信頼関係を損なうためNGです)。

そして、提出する前には必ず「診断書のコピー」を取っておくことを忘れないでください。後日、更新や不服申し立てをする際に絶対必要になります。

次回は、診断書と並んで重要かつ、ご自身で作成する最難関の書類「【申立書編】病歴・就労状況等申立書の書き方」について解説します。


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この記事を書いた人

ファーリア社会保険労務士法人 代表社会保険労務士
正しい障害年金情報を広めるためにYou Tube等で日々情報発信しています。
初診日課題の解決を得意とし、多くの方を支援し続けています。

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